クリーニング店のアルバイト
近所にクリーニング屋さんがありまして、母がそこの店員のおばちゃんに、たまには休みをいただきたいけれど、自分が休んだら変わりがいない、と相談されました。「誰かバイトできるいい子いないかしら。」と言われて、当時短大学生だった私が、臨時で数日入ることになりました。
作業自体は受付なのでそんなに難しくない、ということだった割に時給がよかったので、夏休みということもあり、日中ヒマしていた私はよろこんで引き受けました。
受付といっても、クリーニングをする洋服もらって枚数書き込んで、控えをお客さんに渡す、という作業と、控えを持ってきたお客さんにクリーニング済みの商品を渡してお金をもらう、という作業の二つです。
作業自体は簡単でしたので、すぐ覚えられたのですが、なにが大変かといえば、時間のたつのが遅いのなんのって。何しろお客さんが一向に来る気配がないのです。ガラス張りの商店街の外は炎天下。ただでさえあまり人が通らない日中です。たまにぽつりぽつりと人が通りますが、クリーニングに用事なさそうな人ばかり。
店内の時計の音だけが空しく響きます。せめて音楽くらい聞いていたいのですが、かかっているのはAMラジオから流れる何とも耐え難い眠くなるトークとテレビではついぞ聞かない曲の数々。眠気と闘いながら椅子に座っているだけで、何もやることないのが、こんなに苦痛だとは思いませんでした。
店員のおばちゃんが来るお客さんを捕まえては長話していた理由がわかりました。